アウトプットブログ

現役医学生の日々の生活での気づき、日記を記しています。趣味は読書、運動です。「明るく、楽しく、元気よく」「人として正しいことをする」をモットーに日々精一杯生きております。興味がある方はみてください。コメントくださるとありがたいです。

致死率100%? 医学生が狂犬病について調べてみた

こんにちは、しゅうです。

 

今日は、先日、愛知県で狂犬病にかかった人が発見されたということで、医学生として狂犬病についてまとめましたので、ご参考までにしてください。

 

 狂犬病とは?

狂犬病とは、Rabiea virusというウイルスによる感染症の一種です。

 

ほとんどすべての肉食陸上動物が自然宿主となり、ヒトは偶発的に感染する終末宿主です。

 

漢字からわかるように、犬に咬まれることでも発症します。

 

しかし、宿主になるのは犬だけではなくすべての哺乳類に感染するため、ウイルスに感染した動物であれば他の動物でも起こりえます。

 

ウイルスに感染した動物に咬まれることでウイルスが体内に入り感染します。

 

日本では、飼い犬登録と予防接種、野犬の管理などにより、昭和32年以降、国内感染の報告はありませんでした。

 

しかし、平成18年にフィリピンからの帰国者の感染が報告されており、密輸入などによる狂犬病感染動物との接触の可能性も否定はできません。

 

そして、昨日、愛知県の病院で狂犬病の感染が確認されたとのことです。報道によると、今年2月、就労のためフィリピンから来日した方で、昨年9月頃に足首を犬に咬まれたとのことです。

 

なんと、この狂犬病、感染すると、ほぼ死亡率は100%と言われている恐ろしい病気なのです。

 

非常に恐ろしい、感染症ですが、コロナウイルスなどとは異なり、ヒトからヒトへ感染することはありません。臓器移植や輸血などでも感染することはまれであり、主な感染源はただ一つ、動物からの咬傷です。

 

日本では、衛生上、咬まれても問題ないことがほとんどですが、東南アジアなどの野生の動物は、管理されていないことが多く、ウイルスに感染している可能性があるため、咬まれることでウイルスに感染するリスクがあります。

 

狂犬病は、日本・英国・オーストリアニュージーランドなどの一部の国々を除いて全世界に分布しています。また、世界では年間におおよそ5万5千人の人が亡くなっており、このうち3万人以上が東南アジア地域での死亡者と言われています。

 

これだけ多くの人が命を落としているのに、日本では10年以上も感染が確認されていないことからも、いかに日本が安全な国か、ということを痛感します。

 

詳しい発症機序

感染動物に咬まれることで動物内のウイルスがヒトの筋肉や結合組織に侵入し、末梢神経に入り込んで上行性に脳に到達し、脳実質に感染して細胞を破壊します。

 

動物による咬傷から1~2か月後に、発熱・頭痛・全身倦怠感などの非特異的症状が出ます。

 

非特異的とは、風邪などの一般的な病気と同じような症状であり、特別性がなく鑑別が難しいということです。

 

そして、しばらくすると、水を見ると筋肉が痙攣する恐水症、自律神経症状、幻覚、冷たい風により筋肉が痙攣する恐風症などの神経症状を呈します。

 

また、感染者の20%はこのような神経症状を示さず、麻痺のみを示す麻痺型を呈します。

 

その後、呼吸障害などの症状を示し、死に至ります。

 

注意すべきこと

狂犬病は感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)が一般に1か月~3か月、長い場合には一年から二年後に発症した事例もあります。

 

今回の事例も、昨年の9月に動物に咬まれたことがあったということなので、半年以上の潜伏期間を経て発症したと思われます。

 

この潜伏期間内にワクチンを接種すれば、未然に防ぐことができます。

 

ワクチンには、咬まれる前に事前にうつ予防接種と、咬まれた後にうつワクチンの二種類があります。

 

東南アジアなどに行く際は、短期の旅行なら、咬まれた場合の適切な対応で良いのかなと思いますが、長期間行かれる際は事前に予防接種しておいても良いのかもしれません。

 

ですので、僕たちが注意すべき点としては、

 

・日本では基本的に動物の検査が行われているため、咬まれても問題ない。

・東南アジアなどの外国に行く際は、むやみに動物に近づかない。万が一、咬まれてしまった場合は、早急に医療機関でワクチンを接種する。

・医療環境の整っていない地域に行かれる場合は、事前に狂犬病の予防接種を受けることも検討する。

 

このようなことを知っているだけで、まず大丈夫と言えるのではないでしょうか。

 

また注意点としては、発症前に狂犬病に感染しているかを検査する方法がないことです。ですので、疑いがある場合は、念には念を入れてワクチン接種するのが良いのではないでしょうか。

 

なんせ、死亡率がほぼ100%なので、本当に本当に、なってからでは遅いのです。

 

自分も東南アジアに行ったことがありますが、確かに野生の犬などがどこにでもいました。当時は全く知識のない状態でしたので、とても危険なことをしていたなと感じます。

 

東南アジアは旅行地としては、素晴らしく素敵なところが多いですが、どうしても衛生上、日本とは大きく異なることが多いです。

 

この狂犬病もその一つで、正しい知識を持つことで、より安全に楽しく過ごせると思います。

 

ですので、外国に行かれる際は、くれぐれも注意して、このような疾患があるということを頭の片隅に入れておいてもらえればなと思います。

 

正しい知識を知るということは、様々なことにおいて大切です。コロナウイルスもまさにそうで、噂などに振り回されることなく、正しく理解して正しく恐れられると良いですね。

 

なにより、早く外国に旅行に行ける日がやってくるといいですね。

希望をもって生きて生きましょう!