アウトプットブログ

現役医学生の日々の生活での気づき、日記を記しています。趣味は読書、運動です。「明るく、楽しく、元気よく」「人として正しいことをする」をモットーに日々精一杯生きております。興味がある方はみてください。コメントくださるとありがたいです。

「卵は一日何個まで?」論争について医学的知識をもとに解説

こんにちは、しゅうです。

 

皆さん、「卵は一日一個まで!」みたいな話聞いたことないですか?

 

コレステロールが上がるから、食べすぎはよくないと言われている卵ですが、果たしてそれは本当なのでしょうか。

 

今日は、それについて医学生として調べたので解説していきます。

 

そもそも、卵は完全栄養食と言われているほど、栄養価が高いです。3台栄養素で見ると、タンパク質が豊富でアミノ酸スコアも高く、糖尿病の元となる糖質はかなり低く、筋肉をつけるにはもってこいの食品です。また、ビタミン・ミネラルも豊富で、卵にはビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素を含んでいます。

 

さらに、安価で美味しいという最強の食品なわけですが、1つ問題とされるのが、コレステロールです。

 

今日は、その卵とコレステロールの関係について解説していきます。

 

 コレステロールって?

 

コレステロールは主に肝臓で合成され、体内では、

①生体膜の構成成分 

ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン)の前駆体 

③胆汁酸の原料となり乳化作用やミセルの形成により、脂肪吸収を促す

 

などとして利用されており、体内において重要な役割を果たしています。

 

コレステロールは脂分であるため、水溶性の血液にそのままの形で存在することはできません。

 

そこで、タンパク質と結合することで、血液中に存在しています。この結合物をリポ蛋白と言い、比重により、カイロミクロン・VLDL・LDL・HDLと主に4つに分けられます。

 

その中でも、特に大切な、LDLとHDLを解説します。

 

LDLは末梢組織にコレステロールを運び、逆にHDLは末梢組織から過剰なコレステロールを回収します。

 

このLDLが多すぎると、末梢組織が必要とする以上に、コレステロールが存在するため血管に漏れ出します。また、HDLが低すぎると、末梢組織から回収できなくなり、結果血管に漏れ出します。

 

そこで、LDLに含まれるコレステロールをLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と言い、HDLに含まれるコレステロールHDLコレステロール(善玉コレステロール)と言います。

 

ですので、一言にコレステロールといっても、良い者と悪者があり、どちらがどのくらいなのかを意識する必要があります。

 

また、コレステロールは体内で大切な働きをしているため、コレステロール値が低すぎても、問題です。実際、肝硬変などで、肝臓が破壊されると、肝臓で合成されないため、この値は減少します。

  

コレステロール高いと何がダメなの?

 

このLDLコレステロールが多いことで、組織に運ばれるコレステロールが多くなり変性し、動脈壁に蓄積することで、動脈硬化と呼ばれる現象が起きます。

 

動脈硬化とは、血管には膜があるのですが、その内膜に侵入したLDLが変性して、これをマクロファージが異物を除去するために貪食します。そのために炎症が起き、血管の膜が腫れて膨れ上がります。

 

このようなことが血管内で起きるため、血管は狭くなります。この現象を動脈硬化と言い、これにより細くなった血管は血液が通りにくく、ちょっとした刺激や異物などでの閉塞のリスクが高まります。

 

このようにして血管が完全に詰まると、血流が遮断されるため、臓器に血液が行き届かなくなります。血液が行き届かなくなった臓器は時間が経つにつれて壊死していきます。

 

この血管の部位に応じて、脳なら脳梗塞、心臓なら心筋梗塞、腎臓なら腎梗塞といったような病気につながります。

 

もう一度、後ろからたどると、

血管が詰まる←血管が狭くなるせい←マクロファージが炎症を起こすせい←コレステロールが血管の膜に入り込むから←コレステロールが過剰なせい←LDLが多いorHDLが少ない

 

という風に、コレステロールの量が動脈硬化の強力なリスク因子となっているのです。

 

実際、狭心症心筋梗塞などの冠動脈疾患という治療では、このコレステロールの合成を阻害する薬であるHMG-CoA還元阻害薬のプラバスタチン、アトルバスタチンなどが使われています。

 

この薬により、高LDLコレステロール血症(≧140g/dl)と低HDLコレステロール血症(<40g/dl)に対応していきます。

卵とコレステロールの関係

 

まず、初めに結論からいきます!

 

卵は、一日に二個以上食べても問題ない!

ただ、過剰摂取には要注意!

 

この結論について以下で説明していきます。

 

 厚生労働省により5年ごとに発表される「食事摂取基準」では、2010年版では、コレステロールの目標量は、成人男性は一日750㎎、成人女性は一日600㎎未満で、卵には約210㎎のコレステロールが含まれており、一日に一個までと言われていました。

 

確かに、600~700ほどの基準に対して、一個で200は高く、一日1つまでと言われていたのもうなずけます。

 

しかし、2015年版では、コレステロールの摂取基準がなくなりました。

 

なぜ、この基準がなくなったかを考えます。

 

人間は肝臓で多くのコレステロールを合成しており、食事で摂取したコレステロールが吸収されるのは体内で作られるコレステロールの3分の1から7分の1です。

 

つまり、食事で多少多くとったところで、体内での合成が減少し相殺されるため、食事からの影響は少ないと言えます。

 

コレステロールは様々な因子が作用して、肝臓で合成されています。その一つにストレスがあります。

 

ストレスが溜まるとコルチゾールというホルモンが作られるのですが、これが前述のステロイドホルモンのためコレステロールを材料として作られます。

 

そのため、ホルモンを作るために材料を増やそうと肝臓が頑張るため、コレステロール値は自然と高くなってしまうのです。

 

個人的に感じるのは、食事などで厳格に管理するよりは、ストレスの少ない生活を送ることに意識を傾けたほうが良いのかなと思います。食事はももちろん関係はしていますが、それよりも他の因子のほうが大きいため、「木を見て森を見ず」とならぬよう注意することが大切なのかなと思います。

 

ただ、継続するということは恐ろしいことで、本当に1年365日、毎日卵を1日に3個ほど食べ続けたらもしかしたら影響するのかもしれません。

 

ですので、僕が一番感じるのは、1日に4個くらい食べる日があってもいいとは思うけど、それを毎日せずに、ほどほどの頻度で楽しむのがいいのかなと思います

 まとめ

 

・とにかく卵には栄養が豊富

・1日2個以上食べても問題なし。ただ、継続的に1日に何個も食べ続けるのはどうかな

・一日単位で厳格に決めるのではなく、一週間単位など幅を持たせて考える

 

頭のよさそうな方の記事などを見ても、何個も食べてもいいけど食べすぎは禁物、という風な形で終えています。

 

これは、人間の体がすべての人が全く同じではなく、中で何が起きているのかを理解するのは不可能である、ということからこのような結論になるのかなと思います。

 

実際1日に1つまでというのは間違いだとはわかっていても、コレステロールが高い人にとっては毎日卵を食べたりするのは不安なものです。

 

結局、最後は自分の気持ち次第なので、卵を1日に1つまでにしてしまうことで、自分は食事での問題はないと言い切ることができるのなら、結局は1つまでにするのが良いのではないでしょうか。

 

卵の過食程度で自分の気持ちが揺らぐのは嫌ですから、そこは本人次第なのかなと思います。

 

 

僕も二十歳過ぎという若いさにして、コレステロール値が高いです。母親も少し高めで遺伝なのかなと思いますが、、

 

まあ、ぼちぼち気にして楽しく生きて生きましょ~!笑