長距離ランナー要注意!!医学生が真面目に解説!
こんにちは、しゅうです。
今日は、ランナーに注意して欲しいことについて書きたいと思います。
それは、何かといいますと、、
低ナトリウム血症です。
今日は、これについて学んだことを解説していきたいと思います。
低ナトリウム血症とは?
血液検査で、血清ナトリウム濃度≦130~135mEq/Lのとき、低ナトリウム血症と診断します。血液中のナトリウムの濃度が低下することで、体に様々な症状が出ます。
ナトリウムは塩の成分ですが、体内にも含まれています。普段、汗をかいたり、尿として排泄したり、食事で摂取して、130~140mEq/Lの濃度を適度に保っています。
低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が低下します。細胞外液(血液中)の浸透圧が低下することで、水は浸透圧が低いほうから高いほうへ移動するため、細胞内に水が流入します。このため、細胞内は膨らみ、細胞内浮腫を呈します。
様々な臓器の細胞が膨らみますが、特に症状が出るのが脳です。脳の神経細胞に浮腫が生じ、脳浮腫、さらに脳内の圧力亢進により、頭蓋内圧亢進、脳ヘルニアなどを引き起こします。
これにより、頭痛、嘔吐、昏睡、脱力、痙攣などの症状を呈します。
なぜランナーに多いのか
低ナトリウム血症は体内の水分量に対して、ナトリウムの量が相対的に少ないために起こります。
日常生活では、
下痢などにより大量のナトリウムを喪失の時
水を過剰に摂取した場合
水排泄障害がある場合
などがあります。
つまり、水分量が増えるか、ナトリウム量が減るかのどちらかが起きたときに、低ナトリウム血症になります。
では、マラソンランナーの場合、体にどのようなことが起きているかを考えると、、
マラソン中は、大量に汗をかいているため、体内の水、ナトリウム共に減ります。
ただ、水分は水分補給により補われますが、ナトリウムは多くの場合補われません。
つまり、発汗量よりも過剰の水を摂取し、ナトリウムを補給しなかった場合、低ナトリウムが強まり、症状として現れます。
このため、マラソンにより、痙攣、嘔吐などが起きやすいと考えられます。
防ぐために注意したいこと
では、低ナトリウム血症を防ぐために、どうすればよいのか考えてみましょう。
「よくのどが渇く前に水を飲め」というのをよく耳にしますが、マラソンなどの長時間の運動においてはこれは当てはまりません。
のどが渇いたときに水分をとることが望ましいです。
また、自分の一時間当たりの発汗量を普段の体重減少から把握しておき、それに伴った水分補給をすることも大切です。
日本ランニング学会からの推奨水分補給量は、
・エリートランナー、体の大きなランナーは一回に100~150ml
・遅めの市民ランナー、体の小さなランナーは一回に50~100ml
を一時間に三回程度に分け、合計400~800mlの補給を目安にしています。
これをもとに、気温などの他の条件により臨機応変に水分摂取すればよいかなと思います。
さらに、低ナトリウムは、ナトリウムの相対的不足ですから、水を摂取するのと同時に塩分も摂取するよう心がけましょう。
一般に、暑い時期のレースでは一時間当たり水分1ℓ、塩分3gが補充の目安となります。
ですので、水分に関しては上記で述べた通りですが、塩分は塩飴、ポカリスエット、OS-1などで適宜補給するようにしましょう。
ちなみに、ナトリウム量と塩分量は別物ですので、
塩分量(g)=ナトリウム量(g)×2.5 で計算します。
この計算によると、ポカリは1Lあたり、塩分は1.24g、OS-1は1Lあたり、塩分2.92gほどです。
ただ、これらの飲料水は水分も摂取してしまいますので、水分の過剰摂取にならぬよう注意しましょう。
今回の学びは、マラソンでは当分補給も大事ですが、それ以上に塩分の補給、水分の取り方が大切ということです。
今後、マラソンや長時間の運動をされる方は参考にしてみてください。
[今日の挑戦]
今日は陸上界でヤッソ800と呼ばれる練習をやってみました。
マラソン3.5時間を目標にしていますので、タイムは3分半でやりました。内容は3分半で800m→3分半で400mを10回繰り返します。これができたら3.5時間狙えるんだとか。。
無事、成功しました!!やったぜ!
こんなに真面目に走ったのは高校生以来。やった後の達成感は半端ねえ。
今はランニングに興味があるので、この機会にトレーニングをしていこうと思います。